libro
www.tuyano.com
App InventorによるAndroid開発入門

TinyDBで簡易メモ・アプリを作ろう (1/5)

作成:2010-11-10 10:43
更新:2010-11-10 10:43

■TinyDBの働き

アプリでは、さまざまなデータを保管しておく必要に迫られることもあります。一般的なプログラミング言語では、例えばファイルアクセスのための機能を使って保存したり、あるいはデータベースなどを利用してデータを保管しておいたりします。

Androidのアプリも同様で、やはりファイルアクセスやデータベースアクセスのための機能が搭載されており、本格的に開発を行う場合にはこれらを使ってデータの保存を行ないます。では、App Inventorでアプリ作成を行う場合は、どうなるのでしょうか?

App Inventorには、この両者(ファイルアクセスとデータベースアクセス)のちょうど中間のような働きをする「TinyDB」と呼ばれる機能が用意されています。TinyDBは、文字通り「小さなデータベース」です。ただし、本格的なデータベースというわけではありません。TinyDBの機能を簡単に整理すると以下のようになります。

・基本は、名前をつけて値を保存するだけ!
TinyDBのデータは、「タグ」と「」から構成されています。タグは、保存する値につけられる名前です。さまざまな値にタグをつけて保存する、という非常にシンプルなものです。

タグをつけて保存するだけなので、一般のデータベースのように構造を持ったデータの保存はできません(例えば、名前と日付とメールアドレスと……といったものをセットにして保管する、など)。

・保存できるのはテキストかリストのみ
TinyDBに保存できるのは、テキストとリストだけです。その他のデータ(グラフィックとかオブジェクトとかいったもの)は保存できません。リストが保存できるので、いくつかのテキストをまとめて保存することは可能です。ただし、それにきちんとした構造を持たせることはできません。

・検索は、タグを使って行う
保存したデータの検索は、タグを指定して行ないます。つまり、「このタグの値を取り出す」というようにして行うわけですね。これは、「完全一致」のものだけしか見つけ出せません。例えば、「Androidというタグの値を、Androで取り出す」というようなことはできないのです。

・データの変更はできるが削除はできない
TinyDBに用意されている機能は、「指定のタグで保管する」「指定のタグを取り出す」ということのみです。既にあるデータを変更する場合は、同じ名前のタグで保管をすればそのまま上書きされます。保管してあるデータを削除する機能は、現時点では用意されていないようです。(完全に削除する場合は、設定アプリを起動し、アプリの管理画面から「データの削除」を行ないます)

――以上のように、TinyDBは、単純に「名前をつけて値を保存し、後で取り出す」ということだけが行えるものであり、データを構造的に保管したり、条件を設定して検索したりといった機能はありません。ですから、これはデータベースとは考えない方がよいでしょう。「値を保管するために用意された簡単なしくみ」程度に考えてください。

このTinyDBは、デザイナの「Basic」内に、見えない部品として用意されています。細かなプロパティの設定などはなく、ただ配置するだけで使えるようになります。

※プログラムリストが表示されない場合

AddBlockなどの広告ブロックツールがONになっていると、プログラムリスト等が表示されない場合があります。これらのツールをOFFにしてみてください。

※関連コンテンツ

「App InventorによるAndroid開発入門」に戻る