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App InventorによるAndroid開発入門

App Inventorを使ってみよう! (1/7)

作成:2010-11-08 13:38
更新:2012-03-04 21:35

■App Inventorとは?

Androidは、今やスマートフォンの主流と言えるプラットフォームです。米国では既にiphoneやブラックベリーを軽く抜いて不動の一位の座を確たるものにしていますし、日本でも2010年秋よりdocomo、au/kddi、ソフトバンクのすべてのキャリアから大量のAndroid携帯が投入され、近い将来、主流となるだろうことが予想されます。

まだまだiphoneのユーザーも多いのですが、iphoneとAndroidの最大の違いはなんでしょうか。これは、一般ユーザーからすればさまざまなですが、開発者にとっては誰もがすぐにあることに思い至るはずです。それは「自由度の違い」です。

iphoneは、「すばらしい独裁者が作る世界」です。そこは実にすばらしいのですが、しかし自由は一切ありません。独裁者が与えたもうた道具を使い、独裁者が与えたもうた裁量の範囲内で、独裁者のおメガネにかかるものを作ることだけが許される世界です。

が、Androidは自由です。誰でも、好きなものを好きなように作り、そして自由に配ることができます。もちろん、悪質なアプリ、危険なアプリを作る自由もあります。自由だからといって何でもいいわけではありません。が、少なくとも、開発者が「こういうものを作ってやろう」と思ったとき、それを妨害することはありません。

自由にアプリを作れる。そして、Androidは現在、猛烈な勢いで広まっている。となれば、誰しも「よーし、自分だって一つ、面白いアプリを作ってやろうじゃないか!」と思うでしょう。が、ここで一つ問題があります。それは、「プログラミングができないと、アプリは作れない」という問題です。「自由だ」とはいっても、それは「ある程度以上の技術を持った人」にとっては、の話です。プログラミング、特にAndroidで採用されている「Java」言語が使えないと、この「自由な世界」には参加できないのです。

が、これでは本当の自由とはいえません。誰もが自由に参加できなければ、本当の自由ではない。プログラマ以外の人間も、アプリ作りに参加できれば、更に大きな自由が手に入るはず。――と、Googleが考えた、かどうかはまったくわかりませんが、Googleはこの「膨大な数のノンプログラマ」に対し、Androidアプリ作成の門戸を開くことを真剣に考えていたのです。

その結果として登場したのが「App Inventor」です。App Inventorは、Androidのアプリを作成するためのツールです。このツールを使えば、プログラミング言語のソースコードを記述することなくアプリを作ることができます。

App Inventorは、WebアプリケーションのGUIデザイナと、Java Web StartというJavaプログラムから構成されています。WebブラウザからApp Inventorのサイトにアクセスしてプロジェクトを作り、画面のデザインを作ってから、Javaプログラムを起動して実行する処理を記述します。

「なんだ、結局プログラムを書かないといけないのか」

と思った人。いえいえ、実行する処理は、あらかじめ用意されているアイコンを並べてレゴのようにハメ込んで作るのです。つまり、自分で命令だの関数だのを記述する必要はありません。用意されているアイコンを調べて、使いたい機能を並べていけばいいのです。

まぁ、これでも「まったくプログラミングの経験がない」という人にどれだけのものが作れるか?という問題はあります。アルゴリズム(処理を実現するための解法)がきちんと頭の中で組み立てられないと、アイコンを並べるだけだろうがなんだろうが複雑なものは作れないでしょうから。けれど、とりあえずごく簡単な処理を実行するぐらいのものなら、全くの未経験者でも作れるようになります。

そうやって、ともかく「Androidのアプリを作って動かす」ということを経験することが出来れば、「Androidアプリを作る」ということの面白さがわかります。そうなれば――後は、なんとかなるもんです!

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